ひのもと研究会

日常で思ったことを書き綴ります。

何の理由もなく小学生に罵倒されてへこんだ話

仕事でクタクタになり、駅から自宅へ向かって歩いていた。

すると、どこからか大声が聞こえた。

驚いてビクッとなった。

子供の声。

10歳くらいか?

小学生の子供が大声で叫んでいる。

『ハゲ〜』

『ボケ〜』

(注)語尾は伸ばす感じ、ハ〜ゲではない

 

子供同士でじゃれあっているのかなぁ?

それにしても声が大きいなぁ。

びっくりするやないか!

 

そう思いながら歩いていたら、

『ハゲ〜、ボケ〜』

また大声で叫んだ。

どこで叫んでいるのか気になって、立ち止まって振り返った。

誰もいない。

 

そしたら、

『お前や、ハゲ』

『ボ〜ケ、ボ〜ケ、ハゲ!』

さらに大声で罵る声がした。

 

気づいてしまった。

これは私を罵っているのだ。

かなりしつこい。

執拗だ。

反応したのが面白かったようだ。

 

声はどこか頭上から聞こえてくる。

どうやら、道沿いに建ち並んでいる3階建住宅のどれかだのようだ。

おそらく下から見えにくい3階バルコニーから叫んでいる。

そう推理した。

 

しかし、

確かに私はハゲている。

だが、まだハゲ始め、髪はまだ残っているぞ。

まだフランシスコ•ザビエルくらいだ。

そこまでハゲって言わなくてもよくないか?

 

ましてや何の理由もなく、ボケって言われるのも納得できない。

私が何をした?

ただ歩道を歩いているだけだ。

 

言い返してやろうか?

そう思ったが、子供相手に大声を張り上げるのはみっともないか。

相手も見えないし。

思いとどまった。

 

しかし、へこんだ。

初めてハゲって罵られた。

ハゲてから、誰からも面と向かってハゲって言われたことはなかった。妻を除いては。

皆、思ってもそこはオブラートに包んで話してくれていた。

 

子供は怖い。

相手のことを思いやる気持ちなんて持ち合わせていない。

やることに手加減がない。

理由も根拠もない。

やりたい放題やって、親からも先生からも、周りの大人から、ろくに注意もされず体ばかり大きくなっていく。

 

この少年は、壊れてしまった日本を、さらにメチャメチャに破壊する人間のクズに成長するに違いない。

将来は老人を馬鹿にして暴力を振るう大人へと成長し、老人となった私を殴ったり蹴ったりするのかもしれない。ほんとに怖い。

 

他人の私は子供を叱ることができない。

叱ったら私が非難されるだろう。

子供相手に大人気ないと。

そういう世の中になってしまった。

 

家を突き止めて、親の責任を問うてやろうか、そう思ったが、いろいろ面倒なことになるだろうからやめた。

その場を足早に去った。

少年はまだ叫んでいた。

 

少年よ、私の完敗だ。

ハゲた私を嘲笑って、周りの友達に自慢するがよい。

そしてろくでもない大人になるがいい。

 

ほんと、子供は無敵だね。

触らぬ神に祟りなし。